若者の定住・定着、U・Iターンできる環境条件として「働く場」は重要なキーポイントだ。持続可能なまちづくりを進めるためには、地場産業の振興と地元事業者の育成、企業誘致、新たな産業育成等による産業振興と雇用の創出・拡充が求められる。
これは山本市長が掲げる「誰もが安定した仕事を持って、子どもを産み、育てられるまち」の実現には欠かせない課題でもある。これらの取り組みに対する市長の基本姿勢及び市長がポイントと考える取り組み視点等を示されたい。
注1 |
新規学卒者及びU・Iターン者が市内事業所に就職し、12ヶ月継続雇用された場合、10万円の奨励金
を交付する事業 |
注2 |
東京圏から岩手県のマッチングサイトを通じて就業した移住者に「移住支度金」(世帯での移住者は
100万円、単身移住者は60万円)を交付する事業 |
■山本市長の答弁
11月末に岩手労働局から発表された10月末現在の新規高卒者の就職内定状況は、市内を含む宮古公共職業安定署
管内の職職希望者は189人、内定者156人で、内定率は82,5%となっている。うち、宮古管内事業所への内定者は
76人、管内就職内定率は48,7%となっている。昨年11月末の管内就職率は45,7%で、本年は昨年を上回っている。
コロナ禍にあって、県内や管内に就職を希望する高校生が増加傾向にあることを示していると考えられる。
■山本市長の答弁
人口減少の要因の一つは、社会増減において転出が転入を大きく上回る状況にあり、若者を中心に市外への転出に歯止めがかかっていない。震災後、若者の転入増加が見られ平成26年の社会増減はマイナス232人で、総合計画で2020年までに社会増減ゼロを目指す目標を掲げた。直近3年間の社会増減の推移、実態はどうか。また、当市の合計特殊出生率は平成20年〜24年は1.58で、2020年までに1.74に引き上げる目標を掲げたが、直近の合計特殊出生率の状況も併せて伺う。
■山本市長の答弁
■山本市長の答弁
令和2年度の「就業奨励金事業」の実績は98件と前年度より12件増加している。平成30年度から開始した本制度が広く認
識されてきたと考えている。しかし、「移住支援金事業」は、県全体で13件の実績がsる中で本市の実績はない。移住支援金
事業の対象となる本市の法人数は、本年10月末現在で29社となっているが、U・Iターン希望者の選択肢をひろげるため、登
録法人数の増加と支援制度の周知が課題であると考えている。
本市の人口減少は、人口ビジョンの目標よりも早いスピードで進んでいる。直近3年間の人口社会増減は、平成30年度606人の減、令和元年度は559人の減、令和2年度は622人の減となった。15歳から49歳までの女性人口の減少が多くなっている。今後は本市において、女性が希望するライフスタイルが実現できるよう、ニーズの把握に務める。
合計特殊出生率は直近の令和元年度では1,55であった。県の1,34、国の1,36を上回っているが、人口減少及び未婚率の増加で出生数の増加には至っていない。
竹花くにひこは「昨年実施された国勢調査における本市の人口は5万401人となり、前回の平成27年調査と比べ、
6,275人の減少、減少率は2桁台の11,1%となった。令和2年3月策定の宮古市総合計画人口ビジョンでは、
2020年の推計人口を5万2,926人としている。この推計人口より2,500人以上少なく、かなり早いスピード
で人口減少が進行している。人口減少が加速化している本市の現状に危機感を共有し、持続可能なまちづくり
の取り組みを一層、強化していく必要がある」と述べ、次の5点を質問しました。
■山本市長の答弁
来春の市内高校卒業予定者における就職希望者の内定状況及び管内事業所への採用内定状況はどうか。
現在実施している「新規学卒者及びU・Iターン者等就業奨励金」事業(注1)と「移住支援金」事業(注2)について、市としての評価と課題点は何か。
令和3年度の普通交付税において、令和2年の国勢調査人口をもとに算定した基準財政要額は、人口が急減した市
町村に対する激変緩和措置等で人口減少による影響は抑えられている。しかし、今後も人口減収の状況が続くと見込
まれることから、財源の大幅な減少を見据え、予算の重点化や効率的な執行、経常経費の縮減に取り組み、健全で安
定的な財政運営を目指していく。
本年度、新たな「宮古市産業立市ビジョン」の策定作業を進めている。このビジョンでは、地域産業を支え、事業の継続や発展を支援する体制づくりとして「うみだす」「うりこむ」「はぐくむ」「そなえる」「ささえる」の5つのプロジェクトを柱に、様々な施策に取り組むこととしている。
企業誘致等の支援によって雇用に貢献するとともに、新たなサービスを「うみだす」ことや、産業人材の確保、定着を図り、ちいきの担い手を「はぐくむ」こと等が重要であることから、その方向性を示すこととしている。
加速する人口減少によって市財政の維持、持続の可能性も問われてくる。少子・高齢化と人口減少は生産年齢人口の減少、また消費や経済成長の低下等による税収減につながる。地方自治体の税収減は、地方交付税制度の仕組みにより、一定の行政サービスを提供できる財源保障が行われるが、地方交付税算定に用いられる人口は国勢調査人口である。国勢調査人口が大幅に減少したことによる地方交付税の減額を懸念するが、この影響について市長の認識を伺う。」